舌の病気
舌の大きな役割は味覚を感じる機能ですが、そのほかにも舌は消化を助けたり、話すときにも重要な役割を果たしています。そんな大事な舌の病気を見てみましょう。まず、「舌苔」(ぜったい)は舌の表面に白っぽい苔のようなものが付く病気です。白っぽい苔のようなものの正体は、細菌や食べカス、死んだ白血球などです。舌苔は口臭の原因になります。
「舌痛症」(ぜっつうしょう)は、外見的には異常がないのに舌がヒリヒリ、チクチク痛む症状です。主な原因はストレスと言われていますが、唾液の分泌の減少が原因という説もあります。「溝状舌」(こうじょうぜつ)は舌の表面に深い溝があるもので、特に治療の必要はありません。ただし、この溝に汚れが溜まって炎症を起こしたり、口臭の原因となることもありますので、舌を常に清潔にしておくように心がけましょう。
「白板症」(はくばんしょう)、「紅板症」(こうはんしょう)は、舌などに白い斑点や、赤い斑点が現れるもので、男性は女性の2倍と多く、年齢では50~70代に多い病気です。数%はガンになると言われています。このため、舌にこれらの異常が見られた場合には大学病院など、設備が充実した病院で検査を受けることをおすすめします。黒毛舌(こくもうぜつ)は、舌に黒色または褐色の毛が生えたように見えるものです。黒毛舌は中年期以降に見られることが多い症状で、特に治療の必要はありませんが、不潔になりやすいので舌を常に清潔にしておくように心がける必要があります。
味覚障害は、「味がよくわからない」、「口の中が苦い」など味覚の異常を訴えるものです。味覚障害の患者の数は年々増加しているといわれます。味覚障害の症状の主なものとしては、1.味が鈍い(味覚減退)、2. まったく味がしない(味覚消失)、3. 口の中に何も入っていないのに味を感じる(自発性異常味覚)の3つがあります。「舌がん」は口の中にできるがんでは最も多いがんです。舌がんは95%以上が舌の側縁にできて、舌の中央部にできるのはまれです。初期の舌がんはアフタ性口内炎とまちがえられやすく、放置していると進行がんになってしまいます。舌がんには、表面に薄く広がるタイプ、深部に向かって腫瘤(しゅりゅう)ができるタイプ、潰瘍が深部に浸潤(しんじゅん)するタイプがあります。
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