2005年介護保険制度改正のポイント
2005年介護保険制度改正のポイントとして挙げると5つの重要な柱があります。「予防重視型システムの確立」「施設給付の見直し」「新たなサービス体系の確立」「サービスの質の確保」「負担の見直し」です。これらの5つの柱は、「明るく活力ある超高齢社会の構築」「制度の持続可能性」「社会保障の総合化」という3つの基本的視点からなっております。
2005年介護保険制度改正では、「予防」という視点を取り入れた「予防重視型システムの確立」というのが大きな特徴です。簡単にいうと、高齢者が身体的に重度化しないように、従来の制度に新たなサービスを取り入れたという事になります。具体的には、「地域包括支援センター」という新たな機関が誕生しました。この地域包括支援センターは、全国各地域に配置され地域で介護になるおそれのある高齢者を把握しその高齢者に対し、重度化しないよう効果的な介護予防サービスを提供することを目的としています。
地域包括支援センターとしては、まだ始まったばかりの新しい機関ですので、たくさんの課題を抱えております。その課題のひとつとして大きな問題が、地域に合った介護予防サービスが確立していないということが挙げられます。まだまだ高齢者にとっては、効果的な予防サービスが満たされているとは言い切れない状況なのです。地域包括支援センターに配置されている専門職は、主任ケアマネ、保健師、社会福祉士と福祉・医療の専門職が配置されておりますが、他にも多くの仕事を抱えていることもあり、地域への活動に手がまわらないというのが現状です。
しかし今回の介護保険制度改正により、地域密着型介護予防システムが今後益々発展していく事でしょう。「予防重視型システムの確立」は、地域で生活している高齢者をはじめとする地域住民の協力なしでは、簡単に確立することはできません。「明るく活力ある超高齢社会の構築」「制度の持続可能性」「社会保障の総合化」という3つの基本的視点は、これからの地域介護予防のキーワードとなるでしょう。
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